最近よく見る「バーガーキング」店舗数急増の裏側 健康志向に逆行する「個性的メニュー」戦略の中身

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2020年1月には、バーガーキング秋葉原昭和通り店のポスターに、閉店する近隣のマクドナルドに対して「22年間たくさんのハッピーをありがとう。」と記した以下の文面を掲げた。

バーガーキング
文面の冒頭を縦読みすると……(写真提供:ビーケージャパンホールディングス)

表向きは競合店へのエールだが、文面の冒頭を縦読みすると「私たちの勝チ」になる仕掛けだ。これも話題となった。

「広告予算が限られているので、話題性も意識しながら商品やブランドらしさを訴求してきました。みなさんの話題のネタになればと思っています」(野村社長)

あと5年で店舗数はさらに3倍を目指す

余勢を駆って「2028年をめどに600店を目指す」と言う野村社長。残された課題は何か。

「人材を大切にすることです。1店の運営には40人近い人員が必要ですが、社員は1~2人。残りがアルバイトやパートさんです。雇用形態や国籍にかかわらず人材の重要性を再認識しています。企業体力はついたので、出店に向けた良い物件を探していきたい」(野村社長)

ライバルとして意識するのは意外にも他業態だ。

「消費者調査をすると『ラーメン二郎』『蒙古タンメン中本』といった個性的なラーメンチェーンと比較する声も目立ちます。これからも、らしさを前面に訴求したいと思います」(野村社長)

アメリカ本国では圧倒的なプレゼンスを誇る「バーガーキング」。日本でも、この勢いで有数チェーンへとのし上がれるだろうか。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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