「魚が獲れない日本」漁師の減少が原因ではない訳 漁師が減っても魚が増えるノルウェーと日本の差

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漁獲できる数量より、漁獲が許されている数量が少なければ、漁業者自ら価値が高い大きな魚だけを狙うようになります。これが仕組みとして当たり前に北欧・北欧・オセアニアなどのように「できている国々」と、日本のようにまだ「できていない国」では、年を経るごとに圧倒的な資源量の違いとなっています。

そして後者のわが国では「昔はたくさんいたのに、魚がいない」という負の遺産が積み上がってしまうのです。

魚が減ったのは漁業者が減ったから?

「魚が減ったのは漁業者が減ったから」と言われることもありますが本当でしょうか。これが本当ではないことは、海外と比較するとよくわかります。水産物の輸出金額で世界第2位を誇り、2020年に施行された漁業法改正の際に参考にされたノルウェーと比較してみましょう。水産業を成長産業にできているノルウェーでも、日本同様に漁業者は減り続けています。

漁業者数の推移(出所)上 ノルウェー水産総局のデータを筆者編集、下「水産白書」

上のグラフは、日本とノルウェーの漁業者数の推移です。日本では漁業者が減って後継者がいないことが問題になっていることは、学校で習うので広く知られています。両国とも漁業者は減少傾向です。もし漁業者の減少が原因であれば、両国共に生産量(天然と養殖)の合計は、減ることになるはずですが、データでさらに比較してみましょう。

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