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「魚が獲れない日本」漁師の減少が原因ではない訳

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  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授
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魚が獲れないために明るい将来像が描けず、漁船や水産加工場に補助金なしでの投資が難しい日本と、ノルウェーとでは非常に対照的です。もしも魚が減っていないのであれば、国際的にも魚価は上がっていますので、投資が進むはずです。

一方で自分ごととして捉えれば、今の資源管理状態での国内水産業への投資は、埋蔵金(いると言われている水産資源)を当てにするようなもので、リスクが高すぎということになるでしょう。

多くの漁業、水産関係者はすでにいないことに気づいている

魚が減っているのに減っていないといわれる。そこには漁業者にとって一見メリットのようになる「甘いささやき」が聞えてしまいます。それは、魚が減っていても、これまで通りに漁をしてもよいというささやきです。

後はヨーイドン!で腕次第になります。この方法は、漁業を成長産業としている国々でも数十年前まではありました。オリンピック方式(魚の早獲り競争)とか「Race to fish(魚を獲る競争)」などと呼ばれます。「親の仇と魚は見たら獲れ」の状態で、魚の大きさや価値、そして持続性もなく獲ってしまう状態です。

日本では、漁業を成長産業としている国々ではまず見かけない「自主管理」という形態で漁業が営まれているケース多々あり、それが自画自賛されています。

魚が減っていない前提で、科学的根拠に基づく数量管理がされず、自主管理を元に漁業が行われれば、漁業者にとってこれまで通りに漁ができることがメリットのように見えるかもしれません。

しかしながら、ほぼ例外なく魚が減ってしまいます。そして魚が小型化して、漁業の存続が難しい状態に陥ってしまいます。すでに漁業や水産関係者で、筆者の日本と世界を比較した科学的根拠に基づくサイトを通じて、問題の本質に気づかれた方は数多くいるはずです。

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