出光は1970年代のオイルショックを経て、世界中で石油資源の枯渇が叫ばれる中、代替エネルギーや素材開発を本格化する。1981年には研究所で「クンロク(96)検討会」が発足し、15年後の1996年を見据えた新規事業を模索する。機能性樹脂の開発もその一環だった。
1990年代に入り、研究所では塩素化されたベンゼンに硫化ナトリウム(Na₂S)を反応させたポリフェニレンスルファイド(PPS)という機能性樹脂の開発を進めていた。ただ、この方式では溶媒に溶けにくい塩が発生し、製造過程で扱いづらい。
このため、硫化ナトリウムの代わりに硫化リチウム(Li₂S)を結合させる方式をある研究員が考案した。このとき工業生産されていなかった純度の高い硫化リチウムを自らつくり出したことが、今日の固体電解質の開発につながる原点となった。
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