38年ぶり阪神「アレのアレ」達成への関西人の感慨 今年の阪神タイガースの日本一で何が変わるのか

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「金龍ラーメン」の横を通る群衆(写真:筆者撮影)

阪神タイガースの優勝は、自信喪失気味の大阪人、関西人に「まだ『日本一』と胸を張って言えることがあったんや」と再認識させるような出来事だった。

筆者は阪神ファンではないが、東京の編集者からのメールで「阪神日本一おめでとうございます」とくると、少しはうれしい気持ちがした。とかく後ろ向きになりがちな大阪人、関西人にとって心が温まることではあった。

「来年のシーズン終了までは、わしらが日本一や」。多くの関西人はその思いでこの先の一年を乗り切るのではないか?

岡田監督が食べていた「パインアメ」人気

阪神の岡田彰布監督は、試合中「パインアメ」を食べていると言った。「1試合で7~8個食べるよ、おーん」。

パインアメは大阪市天王寺区、谷町筋沿い、生玉神社の近くに本社があるパイン株式会社が製造している。岡田監督が生まれた中央区玉造からも遠くはない。なじみのある菓子だったのだろう。

あまり知られていないが、大阪は多くの飴メーカーの発祥の地だ。べっこう飴のナカニシ製菓、はちみつのど飴のノーベル製菓、味覚糖のUHA味覚糖、扇雀飴の扇雀飴本舗、黄金糖の黄金糖。

大阪に飴メーカーが多いのは、芝居興行が盛んだったからだという説がある。歌舞伎の幕間に売り子が飴を売って歩いたのだ。せんべいやあられは、食べるとパリパリ音がする。その点、飴は口に含めば音はしない。「観劇に最適だ」ということらしい。今に残る扇雀飴は人気抜群の若手役者だった初代中村扇雀(のちの二代目中村鴈治郎)にあやかって大正末年に創業されたものだ。

パイン株式会社は戦後に創業されたが、漢字の商品名が多かった飴の中で「パイン」と言うハイカラなネーミングと、あっさりした味わいでロングセラーとなった。

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