中国のAIの論文数はすでに世界一ですし、AIの特許数においても中国はすでに世界一になっています。他のいくつもの観点から見ても、すでに中国のAIの技術力は世界トップレベルと言えるでしょう。
また、「データ」という観点においても、人口はインドに抜かれましたが、ネットユーザー数は10億人を超える中国がいまだに世界で一番です。
とはいえ、現在、世界のAIをリードしている企業は「GAFAM」だと思います。ただ、租税回避の問題や個人情報取り扱いの問題などにより、欧州を中心にGAFAMへの批判的な論調も強まっています。その反動で、昨今のブロックチェーンなどの「Web3領域」が活性してきているとも言えます。
一方、「TikTok」などの一部の中国Tech系のサービスが世界で市場を取りはじめているのは、中国国内の優秀なアルゴリズムと大量のビッグデータによって最適化されたサービスを海外に展開しているからです。
つまり、GAFAMが世界で足踏みをしていくなかで、高い技術力と豊富なデータ量を背景に、中国AIサービスが中国国内だけでなく世界においても確固たる地位を築いていく可能性が十分あります。
今後は「中国ものづくり製品」が世界を席巻していく
2つ目は、中国が「世界一のものづくり大国」であることです。
今後はデジタル商品だけでなく、高度にデジタル化された中国ものづくり製品が世界を席巻していく時代に入るはずです。
「世界の工場」と言われる中国ですが、実際に中国のGDPに占めるものづくりの割合は約27%で世界一です。アメリカは約12%、日本は約20%です。
われわれが使っている「iPhone」などのハイテク商品から、家具などのノーテク商品まで、あらゆる商品を中国は製造しており、そのクオリティと世界からのニーズはますます高まっています。
特に昨今、中国に対するデカップリングやデリスキングの声が高まりつづけていますが、実際には中国の輸出の世界市場におけるシェアは世界第1位であり、2022年の貿易輸出額は過去最高の3兆5936億ドルを記録しています。
世界から嫌われている中国ですが、世界の中国製品への依存度は、むしろ最高潮に達しています。
特に米中の政治対立は激化しているものの、2022年の両国の貿易数字上では、中国のアメリカへの輸出総額は約5368億ドルとこちらも過去最高額です。
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