「もちもち」強し!日本人好みの食感こう変わった 近年は「サクッと」「ふあふあ」などさらに多様化
大橋氏は「『もちもち』は以前、男性は使わなかった言葉です。オノマトペは女子どもの言葉、と思われていたからでしょう。それが国語の教科書で使われるようになり、SNSが発達しておいしさを伝えようとする文化が発達し、男性も抵抗なく使うようになりました」とも指摘する。ただ、「ここ5年は成熟した印象がある」と大橋氏は話す。日本人のグルメ化は、安定期に入ったのだろうか。
調査の結果を見ると、男女で大きな違いはないが、どちらかと言えば女性はより柔らかさを好み、男性は歯ごたえを求める傾向がある。女性に人気が高いオノマトペは「もちもち」「ふわとろ」「ほくほく」「とろける」「もっちり」などで、男性は「ジューシー」「サクサク」「シャキシャキ」といった言葉が上位にある。
食の表現の幅が増えている
新しいオノマトペとして「ふあふあ」「ほわほわ」が登場し、表現の幅が増えたのが「フルフル」「ブリブリ」といった弾力系、「バキバキ」など硬さを表す表現、と指摘するのは農研機構の食品研究部門で、食品の品質評価を行う研究者、早川文代氏だ。
早川氏は、食感を表すオノマトペの消費者認知度調査を、2004年と2018年に行っている。2004年は首都圏および京阪神地区に住み、消費者勉強会などに参加する3533人に、質問紙で行った。
2018年は調査会社に依頼し、インターネットで首都圏および京阪神に住む18歳以上の日本人男女1600人を対象にした。どちらも同じ445語について、「食表現であると思うか」など同じ質問を行っている。
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