「もちもち」強し!日本人好みの食感こう変わった 近年は「サクッと」「ふあふあ」などさらに多様化
「素材感を表す『ゴロゴロ』『ゴロッと』も、カレーや果物などで使う表現として認知度が上がりました。速水もこみちさんのレシピでも、『ゴロゴロ野菜の〇〇』といった料理名が出てきます」(早川氏)
「ベタベタ」「ベトベト」「べっとり」とした、付着した感覚を表す言葉は、好まれなくなったせいか認知度が下がった。「スカスカ」「カスカス」といった劣化した食べものの表現も認知度が減った。
「私の推測ですが、劣化したものは食べ物じゃない、と思われるようになったのかもしれません」と早川氏。また、同氏も大橋氏と同様、SNSの影響はあると考えている。
農林省食糧研究所(現農研機構)食品研究部門の吉川誠次氏らが1968年に行った調査など、過去の調査の結果も踏まえ、早川氏は「柔らかさなど心地よい食感の表現は詳細化して「ほわほわ」「ふあふあ」といった新しい語が増える一方、そうではない表現は減る、というのが大きな流れです」と分析する。
日本語には、食のオノマトペが多い
日本語に食のオノマトペが多いのは本当で、「調査方法がそれぞれ異なり、正確な数を割り出せない分野」と前置きしつつ、早川氏は「フィンランド語で71語、フランス語で227語、ドイツ語で105語など、日本語の445語と大きな差があるのは確かです。それはオノマトペが日本語に多いからだと思います」と話す。
「サクサク」を「さっくり」「サクッと」など、少しずつ言い換えることも、食のオノマトペの数を増やす。細かく言い換えていくのは、それだけ食感を伝えたい、という欲求が日本人には強いのかもしれない。
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