「日本から見たら非居住者であり、現地シンガポールの居住者になるので、税制はシンガポールに従います。キャピタルゲインが非課税ですので、高金利通貨の定期預金や債券投資からの利子所得、配当所得にかかる税金がありませんでした。だから債権、預金で資産を十分増やすことができます。結果論ですけど、海外駐在したことによって資産形成に大きなメリットがありました」
例えば、アメリカドルでの定期預金。金利が5%以上と高く、現地の金融機関で定期預金をすれば日本では2割取られる税金もかからない。
30歳で1000万だった資産が、35歳で3000万、38歳で5000万、42歳で9500万円とまさに雪だるまのような勢いで増えていった。
「最初の1000万円は7年かけて貯めましたが、次の7年では3000万以上増えました。Xで『富は加速する』と呟きましたが、まさに複利で増えていくのを実感しました」
資産形成で心にゆとりが生まれた
一方で、すべての海外駐在員が蓄財に成功するわけではない。海外駐在は誘惑も多く、散財してしまう人も少なくないのだ。
「シンガポールはお金持ちが多いので、金銭感覚が変わってしまう人もいるようです。豪華な旅行に行ったり、バブリーなホテルに泊まったり、夜の街でしょっちゅう散財したり、そういう話をよく聞きます。帰国する頃には貯金がなかったという人もいます」
まさおさん自身は、特に大きく散財することもなく生活。駐在員同士の付き合いはあるが、あまりにも金銭感覚が違う人たちとは付き合わなかったそうだ。
「でも、どちらかというと海外駐在でお金が貯まる人が多いですね。そして日本に帰った後、やりたい仕事をしたいと転職したり、サイドFIREしたりする人が結構います。といっても、最近は世の中の流れで、海外駐在の人の手当が手厚すぎるということで見直しもあるみたいで少しずつ条件は変わってくるかもしれません」
まさおさんは、海外駐在から戻ってきて約3カ月(2023年9月時点)。現在の年収は約1200万円と海外駐在時よりは下がった。さらに駐在中のような家賃や教育費の福利厚生がなくなる分、生活費は上がる。だからこれからの生活費を見直す予定だ。
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