貯金も順調に増えて、30歳の時には1000万の資産形成に成功した。指針にしたのが本多静六(1866-1952)の考え方だ。
本多静六は幼少期に父を亡くして貧しい生活を送りながらも勉強に励んで林学博士となり、造林学、造園学の確立に大きな足跡を残した人物である。「蓄財の神様」とも言われ、勤倹貯蓄をモットーに、『私の財産告白』など数多くの著作を残している。
「本多先生は、『お金は雪だるまのようなものなので、先ず初めに雪だるまの芯を作れば、どんどん転がって大きくなる』ということを本に書いています。芯を作るためには、先ず初めは恥も外聞もなく、お金を貯めることなんだと思います。それを信じてやってきました」
具体的には本多静六も提唱している「四分の一天引き法」を実践。給料の中からまずは貯金する金額を先取りして、臨時収入は使わず全部貯蓄。このやり方を、感情を交えずに淡々と実践していった。
この「淡々と実践する」というのがポイントだ。感情に流されてしまうと、お金の使い方にムラが出てしまう。とにかくルールに従って愚直に地道に貯蓄を続けていった。
海外駐在で資産形成が加速
20代後半で結婚。30歳で辞令を受けてシンガポールへ赴任することに。そこから今年2023年の7月に帰国するまで海外駐在生活を送ることになる。駐在中に子ども2人が誕生した。
この海外駐在がまさおさんの資産形成にとって大きな転機となった。
「海外駐在はかなり手当に恵まれています。現地通貨での給料に加えて、海外赴任手当が毎月付きます。さらに子どもや配偶者一人当たりの手当もあるので、その分はかなり貯まります」
手当が多かったため、年収は700万台から1500万円と一気に約2倍に。まさおさんの会社は海外駐在なしの場合、30代後半で大体1000万くらいの給与体系だという。もともとかなりの高年収だが、そこに海外駐在が加わることによって、日本にいてはそうそう得られない額の年収になった。
「いわゆる日系企業の海外駐在はみんなそうだと思うんですけど、住居費は会社が出してくれます。さらに、子どもの幼稚園、小学校代も会社が全部負担してくれました。福利厚生が手厚いんです」
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