「大学入学時に親戚から150万円借金しました。初年度の入学金と授業料、引っ越しなどの上京費用など、実家には先立つものがなかったので親戚に頭を下げてお金を借りました。日本育英会からもトータルで270万借りて、大学卒業時点で合計420万円の借金になりました」
就職活動の時期には、アルバイトをすべて休止。就職活動に全力投球した。就職活動に力を入れたのは、漫画で得た気づきも背景にある。
「カイジで利根川が世の中の厳しさを語るシーンがあります。『もう若くない。30代半ば、40、そういう年になってやっと蓄えられる預金高が1千、2千万という金なんだ』というシーンを読んで世の中の厳しさに震えて、就職活動では企業をしっかり研究して取り組みました。当時は就職氷河期終わりの方でしたが、それでもまだ厳しい状況ではあったので、全力でやらないといけないと思いました」
カイジシリーズの他にも『ナニワ金融道』『銀と金』など、考え方の役に立った漫画は多いそうだ。
そうしていわゆる大手企業に入社。420万円の借金はあったが、順調な社会人スタートを切った。
「就職活動も、その後の社内の部署異動も「野心」しかありませんでした。『ドラゴン桜』で裕福な家庭の子は志で生きて、貧しい家庭の子は野心とお金で生きるって話がありましたが、まさにその通りでした」
「蓄財の神様」本多静六を指針に貯蓄に励む
社会人生活がスタート。収入は初年度年収300万円台で、その後30歳で700万円台と順調に上がっていった。
「初年度はそんなに高い年収ではありませんでしたが、会社の福利厚生がありがたかったです。独身寮に住んでいて、家賃はあまりかかりませんでした」
社員寮や住宅手当は、本連載でもその有効性を提唱している。手取りが少ない時期には有効な蓄財手法だ。
また、まさおさん自身、元々さほど無駄遣いをするタイプではなかったが、美容院は1000円カットに行ったりと、稼いだお金はなるだけ使わないマインドが強くなったという。
親族への借金150万は20代後半で一括返済。奨学金は無利子だったためとくに繰り上げ返済はせず、コツコツと毎月1万数千円ずつ返済して40歳頃に完済。働いて貯金をして、借金を返済した。
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