減ったものと言えば、夫の服にも触れないといけません。
85平米のマンションに住んでいた当時、5畳の部屋は夫の衣装部屋になっていました。部屋の両サイドに洋服タンスがぎっしりと並び、夫が20代のときに買ったDCブランドの服や、もう着なくなったスーツ、バーゲンで買って1度か2度着ただけの奇妙な色の売れ残り服などが詰まっていました。夫はバブル世代なので、まさに我が家における「バブルの遺産」でした。
もちろん、私は何度も捨てるようにお願いしたのですが、夫は、
「でもこれ高かったから」
「まだ着られるから」
「思い出があるから」
そんなふうに、数百枚あった服の半分以上を残したまま引っ越しをしたのですが、新居で暮らして1カ月ほど経ったある日、「全部もう着ないから捨てる!」と、必要最低限の服を残して全部処分しました。
小さな部屋で暮らすうちに、夫の価値観にも変化が生じたのです。
妻も妻で考えた「なぜ私はCDをこんなに持っている…」
私は私で、CDを2000枚近く所有していました。このコレクションのうち、頻繁に聴くのは30枚ほどしかありません。
「なぜ、私はこんなにもCDをたくさん持っているんだろう……」
そして、気づきました。このCDの存在意義は、誰かが家に来たときに「音楽詳しいんだね」と、言ってもらうためだけにあったのです。CD以外にも、レコード、バンドTシャツ、マンガ、DVDなど、たくさん持っていることを自分の価値だと感じて、増やし続けていたのです。
そう気づくと、もはやCDを大量に所持する必要はありません。ごく一部を残して、周囲のバンドマンたちにあげることにしました。
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