「心理化」した職場の問題解決に不可欠な考え方 自前の理論よりも心理学的知見が効果的な理由
まず状況を適切に理解しよう
心理学的な知識は、状況の理解を助ける点で、最も効力を発揮します。若手のマネジメントに悩む管理職のケースの場合、若手がチャレンジングな仕事を嫌がる理由はどこにあるのでしょうか。失敗を恐れているのでしょうか。それとも、そんな仕事をすることに価値を見出していないのでしょうか。
いくつか考えられる説明を挙げたうえで、それぞれに関連して研究ではどのようなことがわかっているのかを見ていきます。その知識をもとにもう一度、もっともらしい理由がどこにあるかを再度考えます。可能であれば、若手と話をしたり、調査を行ったりして、さらに確からしさを高めます。
ある企業の方から職場の問題解決について相談を受けた際に、上記のようなお話をすると、状況を理解したいのではなく、解決方法を提示してほしい、と言われることもあります。
そうしたいのはやまやまなのですが、心理化した職場の問題を解決しようとすると、何が起きているのかを適切に理解しなければ、効果的な解決策を提供することが難しいのです。
上記の例でいけば、失敗を恐れている場合と、仕事に価値を見出せない場合では、明らかに打ち手が異なります。また、誤った手を打つことで、効果がないばかりか、思いもよらないネガティブな影響を生じる可能性もゼロではありません。
心理学の理論から対応策を考える
世界中の心理学者によって日々研究は進んでいて、心理化した問題解決に使える知見が多くあります。ところが、残念ながら心理学の知見の現実場面での適用はあまり進んでいるとはいえません。「〇〇心理学」と銘打った書籍が数多く出版されていますが、必ずしもアカデミックな心理学をベースとしないものもあるようです。
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