「心理化」した職場の問題解決に不可欠な考え方 自前の理論よりも心理学的知見が効果的な理由

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心理化した状況下で課題解決を行う際には、関与する人々の心理的な状況を考慮することは不可欠です。というよりも、心理的状況を考慮することなく、うまい解決策を考えることが難しい状況が増えているといえるかもしれません。

すでに経営学や産業組織心理学では、従業員の経験をベースに人的資源管理をデザインする重要性が指摘されるようになっています。

自前の「素朴理論」の限界

このような世の中の変化は、心理学という学問を活用する機会を増やすことは間違いないでしょう。ところが、人の気持ちはとても複雑で、理論を確立することも、その理論を適切に活用することも、容易ではありません。

一方で、皆さんはそれほど頻繁に人の気持ちの複雑さを感じることはないと思います。それは私たちが人の行動や心理に関して、すでに自前の理論を持っているからです。

これを心理学者のフリッツ・ハイダーは、素朴理論と呼んでいました。これは、各個人が自分の経験を通して作り上げた持論で、多くの場合、当人にとっては正しいことが多いのです。通常では、それを使って生活を送っていて、何ら問題はありません。

しかし、ひとたびその理論が当てはまらない場面に直面すると、困ってしまいます。なぜ、良かれと思ってしたアドバイスが、相手を怒らせてしまったのでしょうか。今までと同じように、部下の成長を思って難しい仕事にチャレンジさせているのに、なぜ最近の若手から反発されるのでしょうか。

このような場合、皆さんはどのように対処されるでしょうか。別のやり方を試すとか、相手がどのように受け取ったのかを、対話を通じて聞き出せばよいのかもしれません。

しかし、いざ実行するとなると、結構難しい気がします。対人関係の誤解やこじれは、誰だって避けて通りたいものです。

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