四谷大塚「女児盗撮事件」で見えた性犯罪抑止の穴 「大人2人共謀」という事態にどう立ち向かうか

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今回の四谷大塚の事件を受けて、考えていくべきことは多い(写真:西村尚己/アフロ)

大手中学受験塾「四谷大塚」で起きた、教え子の女子児童への強制わいせつ容疑。正社員の講師の男性(24歳)が勤務先の塾校舎で、小学生の女児(9歳)に下着が見える体勢をとらせ、胸ポケットに隠したスマートフォンで撮影するなどした疑いで逮捕された。

さらに今回、別の男性講師1人と共謀していたことも判明。2人は「次はどの子にするか」という話でも盛り上がっていたとも報じられている。これで逮捕者が2人になり、親たちに衝撃が走っている。

筆者は2020年に判明したベビーシッターの性犯罪事件を取材してきた。その中で、子どもへの性犯罪を防ぐには、「複数の大人の目を入れる」という対策が第一に考えられることを発信してきた。

しかし今回、2人の講師が共謀していたことで、これまでの想定を変えた議論が必要だと感じた。今回犯罪を明るみに出した集英社オンラインの報道には拍手を送りつつ、逮捕された2人がどのようにして互いに信用して共謀が可能になったのかなども警察の捜査などで明らかになっていくことを期待したい。

シッターの性犯罪から進んだ議論

筆者は2020年、ベビーシッターのマッチングプラットフォーム最大手であるキッズラインを通じた性加害があった際、逮捕者が1人出た後も利用者への周知などが十分行われずに、2人目による加害が発生していたことを報じた。

報道後に2人目が逮捕され、2020年7月、当該人物によって被害を受けていた女児の母親やNPO団体フローレンスなどが、イギリスが行っているようなDBS(Disclosure and Barring Service、前歴開示および前歴者就業制限を求める仕組み)を求める署名活動や記者会見を行った。

報道や記者会見がきっかけとなり、厚生労働省専門会議が立ち上げられ、ベビーシッターに関しては内閣府が開設した保育・幼児教育サイト「ここdeサーチ」と呼ばれるデータベースにて、自治体間等で行政処分歴を共有できるようになった。

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