弁護士が明かす「論点をすり替える人」を倒す方法 誤った論理でたたみかけられた場合どうするのか

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(写真:miyuki ogura/ PIXTA)
弁護士として経験した、相手による一見論理的であるが実は非論理的である議論の仕方について、日常生活でも役立つようにかみ砕いた書籍『ポケット版弁護士の論理的な会話術』から、今回は日常生活であるあるな〈詭弁〉〈論点ずらし〉〈揚げ足とり〉など、自分を守るための「相手の勝手な論理にはまらない方法」について解説する。

非論理的な論理に正しく反論せよ

古代ギリシャには「ソフィスト」と呼ばれる弁論家たちがいて、弁論術を教えることを職業にして生活していました。優れた弁論家も多数輩出され、この時代が、技術としての弁論術が歴史上最も発達した時代であったと言われています。

しかし、技術はそれ単独では「意味」を持ちません。使う人によって、善にも悪にも利用できるのです。

弁論術も同じで、使う人によって善にも悪にも利用できます。古代ギリシャでも、「悪」の弁論術を開発した人たちがいました。話し合いを「よりよい結論」に到達させるためではなく、正しかろうとなかろうと、とにかく相手を矛盾する答えに導き、自分の主張を認めさせてしまうための「詭弁術」という技術が開発されたのです。そして、この詭弁術を用いる人たちは「詭弁家」と呼ばれました。

現代においても、論証テクニックを「自説を通すための道具」だと考え、不当にあなたの論理を破綻に追い込み、自説に導こうとする人たちがいます。

「AよりBのほうがいいって、みんなが言ってるわ」
「アンケートで75%の人が支持しているよ!」
「キミが言ってることは、所詮、子どもだましな意見だよ」

これらがなぜ非論理的なのかは後述しますが、誤った論理でたたみかけられた場合、あなたは論理の力でその誤りを指摘し、正しい結論に導いていかなければなりません。

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