弁護士が明かす「論点をすり替える人」を倒す方法 誤った論理でたたみかけられた場合どうするのか
議論術というのは技術ですから、優劣があります。議論術に秀でたほうが議論に勝つことも事実です。そのような実態があるからこそ、議論術は、「黒を白と言いくるめるテクニックだ」と白い目で見られることがあります。しかし、黒を白と言いくるめるテクニックは、明らかに不当な論理です。
論理的思考を身につけた者には、このような不当な論理は通用しません。すぐに見破られ、粉砕されます。正攻法で議論するしかないのですが、だからこそ、本当に議論されるべき内容で勝敗が決まるのです。議論とは、本来そういうものでなければなりません。
ですから、不当な議論のテクニックが何たるかを知識として知り、それが使われた場合には、すぐに異議を申し立てなければならないのです。
これから説明する、日常生活のなかでありがちな「論理の落とし穴」を知ることで、その非論理性を見破り、正しく反論することが、あなたの身を守ることになるのです。
【誤った二分法】「人間は金持ちか貧乏かだ」
二分法というのは、ある物事を2つに分類することで、「〜はAかBである」というものです。ここでは選択肢を2つに限って説明していますが、3つでも4つでも同じことです。
二分法の分け方には、正しい分け方と、正しくない分け方があります。例えば「色は白か白でないかだ」というのは、正しい分け方です。しかし、「色は明るい色か暗い色かだ」となると、正しくありません。どちらとも言えない色もありますし、何より「明るい」「暗い」の定義があいまいです。
このように、他の選択肢があるにもかかわらず、「AかBか」と分類された場合には、それが正しい分け方なのか疑ってかからなければなりません。
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