弁護士が明かす「論理的に会話できる人」の頭の中 議論の流れを「問題提起」によってつくり出す

【争点整理】「何が問題なのかを整理しよう」
司法試験の「天王山」、論文試験。私が受験した当時の論文試験は、7科目14問の論文を書き上げるというもので、大変な作業でした。司法試験の論文の骨子は、だいたい次のような構成になります。
②結論
③理由づけ
④事例への当てはめ
このうち、最も重要なのが①「問題提起」です。これは、その論文で「何を論じなければならないか」を明らかにすることです。そして、自ら提起した問題に従って、その後の論文を書いていくことになるのです。したがって、議論すべき問題点を発見する能力が、論文の出来を左右することになります。
裁判では、「争点整理」という手続きが行われます。これは、その裁判について何が争点なのかを明らかにする手続きです。争点があいまいなままでは、証拠調べをするにしても、どの点を立証すればいいのかが不明確になってしまいます。そこで、まず争点を整理し、その争点に絞って証拠調べを行うのです。
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