「社長が"訓示"をする会社」は即辞めるべき深い訳 時代遅れの会社を見抜く「3つのサイン」は?

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3つめが「ポスター・標語」類の濫用です。

あまりに社員の士気が低い日本。職場のモラル高揚に、啓発ポスターを使う企業が多いのですが、べたべたと社内中に貼ってある企業は要注意です。

最近、ネットで「若手社員が独断で社内の啓発ポスターをすべて破り捨てたら、内定辞退者が激減したらしい」という話が話題になっていました。

「報連相を徹底しよう」「エレベーターを使わず、階段を使え」「3ない言葉は禁止」「明るい笑顔」「元気な挨拶」「整理・整頓・清掃」「感謝をしよう」などといった内容のポスター、みなさんの職場にもないでしょうか。もう、見慣れているという人も少なくないかもしれません。

もちろん、すべてのポスターがダメというわけではありません。貴重な情報が書いてある、誰もが知りたい情報が書いてある、行動を喚起するような内容であるといった場合には、その意義はあるでしょう。

しかし問題は、対話の努力を棚に上げ、「とりあえず、貼っておけば、見てくれるだろう、やってくれるだろう」という経営陣の甘い考え方が透けて見えることです。

幼稚園児でもあるまいし、「正しい挨拶」の仕方を箸の上げ下ろしを指図するように説くマナーポスター。その道徳観の押し付けに、あやしい宗教か共産主義の国のスローガンのような気持ち悪さを感じてしまいます。

「こうしたポスターがある企業はブラック企業であることが多く、今すぐ転職したほうがいい」と説くサイトもありました。

そうした会社ほど、「問題は社員にある」ととらえ、社員をポスターで洗脳しようという姿勢が見えるから、ということのようです。

「伝え方の常識」のアップデートが求められている

以上の「3つのコミュニケーション慣行」は本当に何気ないもので、多くの企業でまったく違和感を持たずに受け入れられているものですが、突き詰めると、「きわめて昭和的」

あらゆるものが秒速で変わっていく令和の今、この国の隅々で「伝え方」の常識のアップデートが求められているのです。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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