一方で、三菱商事、伊藤忠商事、トヨタ自動車など多くの一流企業は、入社式の「訓示」ではなく「あいさつ」や「メッセージ」と表現しています。
仮にもグローバル企業を標榜するのであれば、「訓示」という言葉の古臭さを認識すべきでしょう。
「人の接着剤」として「雑談の役割」が見直されている
2つめの「NGコミュニケーション慣行」は「雑談・笑顔がない」です。
日本では職場での「雑談=無駄話」と考えられ、仕事を邪魔する存在として忌み嫌われている節がありますが、じつは「雑談」こそが職場活性化の切り札。
たとえば雑談には、こんな効能があることが知られています。
●つながりを感じ、孤独感が和らぐ
●幸福感が上がる
●人に対して共感力を持って接することができるようになる
「偶然の出会いによる会話」は、社員のコラボレーション、創造性、イノベーションを高めることが知られています。人と人との摩擦熱が、組織に火をつけ活性化していくというわけです。
アメリカのラトガーズ大学などによる調査では、「オフィスのおしゃべりのメリットは、デメリットを大きく上回る」という結果でした。
雑談により「社員の気分が上がり、助け合おうという機運が高まる」のだそうです。
とくに昨今のリモートワークの普及により、社員間のつながりの希薄化が進み、「人と人との接着剤」としての雑談の役割が大きく見直されています。
にもかかわらず、雑談が奨励されず、社内のコミュニケーションが不活発な企業もまだまだ多いのが実態です。
そういった会社には概して、笑顔の人が少ないもの。野球のセリーグ最下位の球団の監督が「ヘラヘラ笑いながらやっている選手は外すよ」と言い放ったそうですが、時代錯誤も甚だしいといえるでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら