まず「完全に時代遅れ」だと感じる1つめの慣行が「社長訓示」です。
「社長の訓示」3つの問題点は?
「訓示」とは、辞書によれば「上位の者が下位の者に、物事をするに当たっての心得を教え示すこと」。つまり、エラい人が下々の者に一方的に「心構え」を言い渡す説教のようなものです。
「訓示」の問題点は次の3つです。
そもそも、フラットで対等な「対話型」のコミュニケーションが望ましいとされる時代に、「上から目線」で一方的、言いっぱなしの内容を、素直にありがたがって受け取る社員など、ひとりもいません。
「お知らせ」「告知・報告」であれば、社内のイントラネットに載せればいい話。もしも「社員の心を動かそう、記憶に残そう」とするのであれば、「訓示」などといった「説教めいた手法」はまったく効かないのです。
「イノベーション」「SDGs」「サステナブル」から「変革」まで、抽象的で心にはいっこうに刺さらない言葉の数々から、「不透明な国際情勢」などの社会情勢解説まで、企業名を置き換えて使い回しているのかというような、紋切り型の内容のものばかり。
1週間前のランチ同様、忘れ去られるのがオチなのです。
ただでさえつまらない内容をとうとうと棒読みするのだから、たまりません。
「お昼寝タイム」として重宝されるだけで終わるケースがほとんど。その貴重な10分、20分を業務に回したほうがマシです。
外資系企業からある大手日系企業に転職したある男性は、その「訓示」の多さにびっくりしたそうです。
「社内の停滞感を打破したい」というトップの思いや焦りが、効き目のない「訓示」の乱発につながっているのかもしれません。
というわけで、昭和の香りがプンプンと漂い、古く閉塞的な組織のイメージのする「訓示」ですが、いまだ多くの企業、役所が日常的に使っています。
特に入社式の「社長訓示」の内容を堂々とプレスリリースする会社も多いのです。
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