「おばあちゃんカフェ」で働く女性が見つけた幸せ シニア女性が活躍する事業に世界も注目

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現在、カフェで働いている高齢者は55人。初期の頃の女性たちはもういないが、今でも多くの人たちと仲が良く、遊びに来ることもある、とモリッツ氏は言う。

そして、フォルペンションで働きたいという需要は途切れることがない。2店舗目を出店する際求人には、300~400人の男女の高齢者から応募があったという。このコンセプトはメディアや世界からも注目されており、CNNも報じている。

フォルペンションはまた、「本物の家庭の味」、本格的なウィーンのケーキやコーヒーを試したい、という観光客からも人気が高い。なぜなら、提供されるケーキや料理の多くは、ウィーンの中心街のカフェではもはや提供されていないからだ。

コロナ禍で2店舗目閉店→新領域に挑戦

しかし、どんな企業でもそうであるように、フォルペンションの経営にも多くの課題がある。ウィーン中心部のケルトナー・シュトラーセ近くに2店舗目がオープンしたのは2019年で、わずかその3カ月後にはコロナ禍のために閉店せざるをえなくなった(現在は営業を再開)。

「本当に大変でした」と創業者メンバーの1人、デビッド・ホーラー氏は振り返る。「しかし、それによって私たちは新しいビジネス領域に参入することを余儀なくされました」。その結果、生まれたのがオンラインのパン教室だ。

コロナ禍のステイホーム期間中は多くの人が料理やお菓子作りに挑戦したが、フォルペンションはこの機会を利用し、何人かのシニア女性、男性とパン作りの教室を立ち上げた。この教室は現在、リアルでも、オンラインでも英語で受講できる。そして、何人かの女性たちはソーシャルメディアのインフルエンサーとなった。

パン教室の様子(写真:フォルペンション提供)

私と同年代のオーストリア人が子どもの頃によく食べた特別な料理が「Buchteln(ブフテルン)」だ。ブフテルンは、プラムジャムを詰めた温かいイーストケーキで、熱いバニラソースがかかっている。特に家庭で食べるオーストリアの代表的なお菓子の1つだろう。

ブフテルン
ウィーンの伝統菓子の1つ、ブフテルン(写真:Jacopo Ventura/Getty Images)
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