「おばあちゃんカフェ」で働く女性が見つけた幸せ シニア女性が活躍する事業に世界も注目
フォルペンションのコンセプトは、おばあちゃんとケーキ。まるで「第2のリビングルーム」のように、「一緒に食事をし、笑い、充実した時間を過ごす場所」を目指している。また、子どもの頃と同じように、おばあちゃんがケーキを焼く姿を見ることができる居心地の良い場所でもある。
2014年にフォルペンションが設立されてからというもの、働くことに興味を示すシニア女性は増えている。
彼女たちの動機は実に多様だ。もちろんお金も理由の1つ。オーストリア(人口800万人)には、1人暮らしの高齢女性が50万人いるが、このうち25%は貧困ライン以下で暮らし、さらに25%は貧困ラインより少し上で暮らしている。
老後の貧困は女性に多く、シニア世代の女性の多くは過去数十年間、まったく働いていないか、ほとんど働いたことがない。フォルペンションはこうした女性たちに働く場を提供している。
誰かに必要とされているという実感
しかし、完全リタイア後に働くことの魅力はお金だけではない。チームの一員となることや、必要とされているという実感も働くモチベーションとなっている。
「私はお菓子作りのおばあちゃんで、週に2回、カフェのお客さんの前で生パンを焼きます。他のおばあちゃんたちは、お客さんを迎えたり、時にはサービスで働いたりしています。ここで働くと若返るような気がするの」と、フォルペンションで働くキャスリンさん。
「60歳になったとき、これからは下り坂なんじゃないかと思ったんです。でも、姪がシニアの女性がパンを焼いたり働いたりするカフェのことを教えてくれたの。『おばあちゃんにちょうどいいんじゃない?』と言われて働くことになったんです。
家ではいつもバナナチョコレートクリームケーキを作って家族に食べさせていました。だからここでバナナチョコクリームを焼くのが特に好き。ここのカフェにはいろいろな人がいて、たくさんの若い人たちと接することができるのが特に気に入っています。フォルペンションで働くことは、私の人生をとても豊かにしてくれます」
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