国民生活基礎調査(2019年)によると、便秘を感じている人は国内に約430万人いるといわれる。ひと口に便秘といっても、そのタイプはそれぞれ。便秘が肌荒れや口臭・体臭に関係する、大腸がんの原因になるといった気になる話もよく聞く。
便秘治療に詳しい鳥居内科クリニック院長の鳥居明医師に、便秘のタイプやその原因、治し方のほか、便秘にまつわる話題の真偽などについて聞いた。
便秘とは、「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」(『便通異常症診療ガイドライン2023』より)を指す。
日常生活に支障があるかどうか
「便通は、人によって回数も量もまちまちで、毎日出ないと気持ち悪いと感じる人もいれば、1~2日出なくても平気な人もいます。ですから、毎日、便が出ないからといって、かならずしも便秘とはいえません。見方を変えると、2~3日排便がなくても、スッキリと出て、不快な症状がなく、日常生活に支障がなければ便秘ではないです」と、鳥居医師。
重症の便秘では、腹痛や腹部膨満感などの症状が続くだけでなく、便が出ないことで不安が強まり、活動性や労働生産性も下がる。QOL(生活の質)が大きく低下するケースも少なくない。
「原因はさまざまなので、まずは自分の便秘のタイプを知ることが大事。それによって解消法や治療法が変わってきます」と鳥居医師は言う。
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