【繰り返す下痢】10人に1人が悩む便通異常の訳 ストレスが脳と腸にダメージ「過敏性腸症候群」

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すぐに入れるように、いつもトイレの場所を探している人は過敏性腸症候群かもしれません(写真:ponoponosan/PIXTA)
大事な会議中に突然、便意が襲ってくる。我慢できずにトイレに行くと、十分に排便できず下痢をもよおしてしまった――。そんな症状が数カ月以上続いたら、それは過敏性腸症候群(IBS)かもしれない。いったい何が原因となり、慢性的な便通異常が続くのか。心の問題で起こる体の病に詳しい東急病院心療内科の伊藤克人さんに話を聞いた。

過敏性腸症候群は、大腸や小腸に腫瘍や炎症などの異常が見られないにもかかわらず、下痢や便秘、ガス(おなら)を繰り返す病気だ。便通の状態などから「便秘型」「下痢型」「混合型」「ガス型」の4タイプに分けられる。

国民の5~10人に1人

日本大腸肛門病学会によると、わが国の過敏性腸症候群の有病率は10~20%とされている。

「患者さんは高校生から60歳近くまで、幅広い年齢にわたります。男女ともにいますが、症状のために通学や通勤に支障をきたすような場合、より深刻度が高いといえます 子育て中の主婦では、例えば“子どもの学校での説明会の出席は、いつでもトイレへ行けるような席でないとつらい”ということもあります」(伊藤さん)

また、「複数ある症状のなかでも、来院するケースとして圧倒的に多いのは、下痢の症状がある患者さん」と付け加える。患者のなかには、授業中や仕事中に頻繁にお腹が痛くなることを苦痛に感じ、学校や職場に行けなくなっている人もいるという。

一般的な下痢は、食あたりなどでお腹を壊したときや、体が冷えたときに一時的に生じるものだが、過敏性腸症候群の下痢型は、こうした下痢症状と異なる。その違いはどこにあるのか。伊藤さんは以下の基準から、過敏性腸症候群かどうかを判断している。

IBSの判断基準
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