生成AIも結局は大手テック企業が支配するのか オープンAI×MS連合vs.グーグル、そして……

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実は、グーグルは2021年5月には自然な会話を実現する言語モデル「LaMDA」を発表していた。ただ、検索エンジンのUIに採用すると、現在のビジネスモデルを抜本的に見直さざるを得なくなってしまうため、積極的に活用してこなかった。そうこうしているうちに、オープンAI×マイクロソフト連合によるChatGPT/BingAIの台頭を許してしまった。

株主からの圧力もあり、グーグルは2023年3月にLaMDAを活用した会話型AIサービスである「Bard」を英国とアメリカで一般公開、さらに、より高度な言語モデルである「PaLM」「PaLM2」も発表している。

グーグルはまた、生成AIを使用した「Search Generative Experience(SGE)」と呼ばれる新機能をグーグル検索に導入する予定であり、2023年8月末からは日本語版の試験運用も開始している。収益の柱である検索連動型広告は引き続きページ全体の専用広告枠に表示されるとしており、グーグルとしては当然ではあるが広告収入を維持したい構えだ。

アマゾンもクラウド生成AIサービスを提供

このように、オープンAI×マイクロソフト連合vs.グーグルという構図が見えてくるが、アマゾンも負けてはいない。2023年4月にAWS(Amazon Web Services)独自の大規模言語モデル「Amazon Titan」と、API経由で他社の大規模言語モデルを利用可能にするサービス「Amazon Bedrock」を発表している。

マイクロソフトやグーグルが自社製品に大規模言語モデルを組み込んで提供する戦略であるのに対し、アマゾンは主に企業ユーザーをターゲットにクラウドサービスとして提供する点で方向性が異なっている。

大手テック企業のもう一つの主役であるメタはどうだろうか。実はメタはChatGPTが一般公開されるわずか2週間ほど前に、対話型AI「Galactica」のデモを公開していた。

ただ、Galacticaの回答に問題があるとしてSNSで炎上し、すぐに公開中止に追い込まれていた。

実はメタは2022年8月にも、独自チャットボット「BlenderBot 3」を一般向けに公開したものの、公開直後から差別的な発言をしてしまうという騒ぎを起こしており、これが2度目の炎上騒ぎである。

メタはこうした炎上騒ぎを経験しても研究開発の手は緩めず、2023年2月には研究者向けに独自の大規模言語モデル「LLaMA」をリリースしている。

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