1971~1974年に生まれ、現在、働き盛り真っただ中の49~52歳の「団塊ジュニア世代」。その数800万人、現役世代の中で人口ボリュームとして突出した層が今、大きな「岐路」に立たされています。
連載3回目は、コロナ禍に翻弄されながらも、人生を捉え直し、新たなキャリアに向かい始めた旅行会社勤務の50歳男性を描きます。
コロナ禍で大打撃を受けた旅行業界
「旅行って、人が生きていくうえで、必要かそうでないかと言えば、不要なものなのだと実感してしまいました。生活に余裕があってこその旅行なんですよね」
コロナ禍で最も打撃を受けた業種の一つである旅行業界。新卒以来、大手旅行会社勤務一筋の太田信太郎さん(50歳、仮名)にとって、全世界で起きた新型コロナウイルスの感染拡大は図らずも、自らの仕事の存在意義を正面から突き付けることとなった。
「これまでも外的要因に振り回され、業界の不安定さを感じたことはありました。2001年のアメリカ同時多発テロの時は、アメリカは危ないからとヨーロッパに行き先を変更する人がいました。中国で流行したSARSの際も、同様です。しかし、世界中どこも行けなくなったのは初めてでした。しかも、海外が駄目だから国内というわけにもいきませんでしたので」
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