画像生成AI、使う人が知るべき「著作権侵害の境界」 ポイントは創作者の「創作意図」と「創作的寄与」

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例えば漫画のストーリーを練る原案担当と作画担当の2人で描き上げた場合、原則として2人ともその漫画の著作者となります。

これに対して小説家と編集者のような場合、編集者がプロットに具体的な指示をすることも考えられますが、通常は編集者がその小説の著作者とはならないものと解されています。

そして生成AIの登場により、この「創作的寄与」が、そもそもはじめから存在するかどうかということが問題とされるようになりました。前述の事例では、生成AIのユーザーが漫画の原案担当により近い立場なのか、または編集者により近い立場なのか、が問われていることとなります。

「創作的寄与」に当たるかどうかの基準

具体的には、①プロンプト(AIでの命令文)の入力、②ステップ、スケールなどの生成条件の入力、③その学習モデルを追加学習などによりカスタマイズした場合のカスタマイズ行為、などがこうした「創作的寄与」に当たるのかどうかが問題となりえます。

この場合、著作権審議会の公開資料においては「後編集」や「多数の結果からの選択・修正などにより最終的に自らの創造的個性に最も適合するものを作成していく一連の過程」がある場合に「創作的寄与」を認めることができる余地があるとしていることから、

①生成画像を事後的に編集する行為

②同一または類似の生成条件からランダムに生成された多数の生成画像から最適なものを選択する行為

などが、「創作的寄与」に当たる可能性はあります。

次ページ「創作意図」と「創作的寄与」が認めらないとどうなる?
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