それでは脳をうまく使えない人の2つ目の間違いはなんでしょうか。
最初の90分が睡眠の質を決める
また眠さを我慢しながらの学習も、結果につながりにくいものです。
もちろん「明日までに急に覚えなければならなくなった」など、よほどの事情がある場合は仕方がありません。
しかし多くの場合、試験やプレゼン、会議などの「アウトプットが試されるとき」は、かなり前からわかっているはず。
一夜漬けに頼らないで済むような長期の学習計画、もしくは突貫工事にならないような長期の準備計画を立てたいものです。
一方「睡眠時間も削って勉強したい」というまじめな方もいるかもしれません。
確かに昭和の昔は「四当五落」という言葉がまことしやかに囁かれていたこともありました。この言葉は「4時間睡眠で受験勉強する者は合格し、5時間睡眠すると落第する」という意味です。
もちろん、科学的な根拠は何もありません。
むしろ「睡眠が学習効果を高めてくれる」という事実をお伝えしておきましょう。
脳は、睡眠中に多くの修復作業や維持活動を行ってくれています。
たとえば新しい脳細胞を生み出したり、細胞構造をよい方向に変化させたり、成長ホルモンを分泌したり。
とくにノンレム睡眠中は脳内液体の循環スピードを数倍に高めることで、脳の廃棄物、なかでも「アミロイドβ」というアルツハイマー病の原因となるタンパク質を洗い流してくれています。
良質の睡眠をしっかりとることは記憶の定着につながるうえに、認知症まで遠ざけられるというわけです。
「眠さをこらえながらの学習なんてナンセンス」と見方を変えてください。
そして眠さを我慢する方向の努力を、睡眠の質を高める方向の努力に切り替えてみませんか。
睡眠時間の理想は6時間以上、それも最初の90分の質を上げることが大事というのが定説です。
そのため、眠る90分前に入浴し、体内部の「深部体温」を効率よく下げるのがよいといわれています。
また睡眠1時間前から、パソコンやスマートフォンの使用を控えられれば理想的です。電子機器の画面から発せられるブルーライトが、体内時計のリズムを乱し、入眠を妨げてしまうからです。
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