「頭のいい人」がやってる集中力を高める簡単方法 意志に頼らず「仕組み」で集中力を高める

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もちろん、模試や問題を解く場合と違って、テキストを読む際は、集中していなくてもページを進めることができます。ですが、文字を目で追いながら別のことを考えていると、内容が頭に入りません。だらだらと時間が流れ、結果として予定の分量を読み進めることができたとしても、読んだ内容が記憶に深く刻まれることはありません。

集中するためには、勉強以外のことに意識を向けないことが重要です。余計なことが頭をよぎると気になってしまい、集中が阻害されてしまいます。言葉でいうと簡単なものですが、実際にやるとなかなか大変です。

意志ではなく「仕組み」で集中力を高める

いままでの経験を振り返ってみましょう。勉強に限らず、仕事の企画書や、大学の課題など、提出期限があるものに取り組んだ際に、苦労したことがあると思います。そのときに、「さあ、集中しよう!」と決めて作業を始め、うまくいったことはあるでしょうか。おそらく、ほとんどないはずです。

よくあるのは、始める前についついスマホやテレビを見てなかなか体が動かず、いざ始めてもネットを見て時間をつぶしたり、電話がかかってきて手が止まったりしてしまうパターンです。目標どおりに進むことはなく、気づけば時間だけが経過している――誰でもこうなった経験があるでしょう。やりたくないことをやるのは大変なエネルギーが必要です。勉強はもちろん、ダイエットが成功しないのも、お金がたまらないのも、「嫌なことに積極的に取り組まなければならない」という大きなハードルが存在しているからです。そして、そのハードルは意志の力で越えることが難しいのです。

そこで、対策の一つとしておすすめしたいのが、「物理的に制約をつくること」です。

わかりやすいのは、引っ越しの準備や片付けです。荷物を整理するうちに、好きだったマンガを読み始めてしまったり、昔のアルバムが出てきたりして、一向に整理が進まない、ということになりがちです。人間は誰しも、誘惑に弱いものです。片付けが面倒だと感じているときに、面白そうなものが目につけば、ついつい手が伸びてしまうでしょう。一方、同じ作業をしていても、片付ける対象が、タイ語やアラビア語など、読めない言語で書かれた本であれば、手が止まることは少なくなるはずです。気を引くものが近くになければ、集中が阻害されるきっかけは減ります。

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