「部下が自分よりデキる」と悩む人の本質的な問題 なぜ不安に思う?ネガティブから抜け出す方法

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「上司である自分よりも部下のほうが有能なのではないか」と思い悩む人も多いようです(写真:mits/PIXTA)
部下に対して自信を持って接することができない。そんな悩みを抱える人も増えているようです。『不安専門カウンセラーが教える 晴れないココロが軽くなる本』を上梓した、公認心理師の柳川由美子さんが解説します。

公認心理師である私のところにカウンセリングにいらっしゃるクライアントさんは、部下を持つリーダーも少なくありません。これまでは「上司と合わなくてつらい」という部下側からの悩みが多かったのですが、最近は「部下に対して自信を持って行動できない」という方も増えています。

以前、相談にいらした50代の男性もまさにこのタイプでした。中小企業で長年、経理を担当されてきた方で、これまで紙ベースだった経理業務がIT化され、ラクになるどころか覚えることが増えたそうです。

あっという間に仕事を終わらせる部下

自分は使いこなせないツールが多いのに、30代の部下はあっという間に使いこなし、仕事を早く終わらせている。また、経理の領域でつねに新しい法律や規則が発生するために自分の情報が古くなっていると感じ、「自分が追いつけていないと感じ、自信を失うことがたびたびあった」とおっしゃっていました。

私から見れば子どもの頃から携帯電話やパソコンが身近だった世代と比べて、50代の理解が遅いのは当たり前だと思うのですが、こういう方はそんなふうには考えられません。

業務の変化についていこうとする真面目な方が多く、責任感も強いために「自分も完璧に使いこなすだけでなく、部下以上に活用できるようになりたい」と考えます。また、他人に気を遣いすぎるので「部下に聞いたら迷惑をかける」と、わからないことがあっても1人で解決しようとします。

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