「部下が自分よりデキる」と悩む人の本質的な問題 なぜ不安に思う?ネガティブから抜け出す方法
しかし、次第にうまく使いこなせない自分を責めるようになり、「自分は上司の立場なのに、仕事ができない。今や部下のほうが仕事ができるのかもしれない」などとネガティブな感情だけが大きくなっていきます。こうやってネガティブな感情だけが反芻され、「ネガティブ沼」にはまっていくのです。
このように「自分に自信が持てない」とおっしゃるクライアントさんは、実は驚くほど優秀な方だったりします。肩書きだけで評価してはいけませんが、誰もが知っているような企業でプロデューサーをしていたり、社内で重要なポストに就いていたり、自己評価からは想像できないような活躍をしている方が多いのです。
それなのになぜ、こんなことになってしまうのでしょうか。それは彼らが「完璧主義」であることが大きく関係しています。だからこそ失敗を恐れるし、自己批判も激しくなります。
「~ねばならない」と考えがち
完璧主義の人はつねに目標設定が高いです。それゆえにできなかったことを、大きなこととしてとらえてしまう傾向があります。また、「〜ねばならない」と考えてしまいがちです。
「新しい技術や知識を身につけなければいけない」
「部下よりもどんなことも優れていなければならない」
「部下に好かれていなければならない」
何事もこんなふうに考えてしまい、余計に自信を失っていくのです。「〜ねばならない」と考えると、「ある程度できればOK」「部下のほうが得意なこともあって当たり前」「みんなに好かれるなんて、そもそも難しい」というように、柔軟性のある考え方ができなくなります。すると、強いストレスがかかったときに心が折れやすくなり、鬱状態に陥りやすいのです。
こういう人が無意味に自信を失わないようにするためには、「〜ねばならない」という考え方を「〜できたらいいね」と言い直すようにします。
「新しい技術や知識を身につけなければいけない」→「新しい技術や知識を身につけられたらいいね」
「部下よりもどんなことも優れていなければならない」→「部下よりも優れているところが増えるといいね」
「部下に好かれていなければならない」→「部下に好かれる上司になれればいいね」
つまり「できたらいいけど、できなくてもまあいいか」ぐらいのゆるさをもつことで、自分を責める心の声が次第に消えていくはずです。
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