バルト海の小国が「IT教育」に懸けるワケ 人口130万人の国の生き残り戦略を見た!

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日本でも、NPO法人CANVASが未就学児および小学生を主な対象として、子ども向けワークショップの博覧会「ワークショップコレクション」を開催し、その中でプログラミングのイベントを設けている。また、「Life is Tech!」なども中高生向けに一部学術機関と連携しながらプログラミング教室を展開しているが、いずれも公的なものではない。

慶應義塾大学環境情報学部長・村井純教授も本連載第1回で述べていたように、今後は産官学の連携を密にするだけではなく、それをどのように地域と連動させていくかについても議論が起きてくるように思う。

教師のITスキルはNPOが支える

では、教師全員がITに強いわけではないだろう。ITに弱い先生がいた場合、どのようにフォローしているのか、学校の先生に聞いてみた。すると、「HITSAというNPO団体が先生の研修をみています」という。

NPO団体が先生の研修をするというのは日本ではあまり聞いたことがない。そこで、HITSAの事務局長に話を伺ってみた。

―HITSAとはどのような団体ですか?
英語では、「The Information Technology Foundation for Education」が正式名称です。2013年に設立されたNPOで、それまであった3つの研究所であるinnovation center、IT education development center、development center for information systemsをひとつにまとめた団体です。民間企業、エストニア政府や大学などが出資していて、先生の研修だけではなく、学校で使う教材の研究や開発も一手に引き受けています。
―たったひとつの団体で?
はい。2005年までは学校に携わるNPO団体というのが、とてもたくさんあったのです。ただ、小国でそんなにあっても力が分散するだけで、あまり効率的ではないという議論があり、それまであった3つの研究所をまとめ、ひとつのNPOを作りました。
ちなみに、事務所は主要な学校の校舎の中にあります。つねに現場を見ながら、教材の研究開発や先生の研修をしたいと考えていますので。
―ITに不慣れな先生もいると思いますが、どうフォローしていますか。
HITSAのサイトには問い合わせのページを設けていて、わからないことがあれば、そこから連絡してもらうようにしています。電話などほかの方法はいっさい設けていません。そのため、ITに弱い先生も弱いからほかの手段で問い合わせるということができないのです。必ずネットを使わないと問い合わせできないという環境にしています。
―選択肢がないのですね(笑)。
はい。選択肢があると、甘えが出てしまって、いつまでもITに慣れないですよね。

なるほど。選択肢を設けないというのも、ひとつの方法かもしれない。

ITが教育現場に入ることで、教師のITリテラシーの平準化が課題になっているのは日本だけではない。ITに詳しい教師とそうではない教師で授業内容に差が出てしまっている。それは授業を受ける生徒側にとって環境が不均衡になっていることを意味する。授業でITが使われることで、生徒の理解度に大きな差が出ている教科もある。

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