有料会員限定

経常黒字でも円安が続くのは「実は赤字」だから キャッシュフロー経常収支で円の実需を考える

✎ 1〜 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 最新
拡大
縮小

収束しない円安相場をどう読み解くか。為替は需給で決まる。「キャッシュフロー」ベースの経常収支で円の実需を捉えることを筆者は提示する。

コンテナクレーンの並ぶ貿易港のイメージ画像
貿易赤字は資源高の一服で解消しても、今や貿易以外の要素が大きい(写真:Kei1962 / PIXTA)

特集「円安事変」の他の記事を読む

2023年上半期(1〜6月)の経常収支は8兆0132億円と、2022年上半期(7.2兆円)から経常黒字が増加した。これは貿易サービス収支の赤字が8.2兆円から7.3兆円に縮小し、第1次所得収支の黒字が16.6兆円から17.5兆円に増加したことなどに起因する。

興味深いことは、こうした経常収支の改善と円相場の動向がかみ合わないことだ。2022年も経常収支は11.5兆円の黒字だったが、円は対ドルで最大30%以上も下落した。

キャッシュフローで経常収支を考える

仮に日本の経常黒字が数字どおりの「円買い圧力」となるのならば、ここまで円安は定着しない。なぜ、黒字でも円安が続くのか。

次ページ円に戻らず再投資
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
円安事変
円安の加速でも「為替介入」が困難な根本理由
JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏に聞く
実は「50年ぶりの円安」を理解するためのポイント
円安影響を8つのポイントに絞りQ&A形式で解説
ニトリ、強気の「連続記録更新」を揺さぶる大試練
「36期連続増収増益」へ円安や特需一巡が打撃に
日本の「円安メリット」はもはや過去のものだ
「ミスター円」こと榊原英資・元財務官に聞く
円安が自動車部品会社に加える「トドメの一撃」
猛烈な原材料高を製品価格に転嫁させられるか
126円突破の背景は「ドル高」ではなく「円安」だ
この円安阻止に日本政府には何ができるのか
円安急襲の外食チェーン、明暗分ける「意外な差」
サイゼリヤは海外へのソースなどの輸出も視野
「本当に怖い円安」は家計の海外資金逃避で起きる
「円売り」が企業から個人にも広がれば大規模に
原油高と円安で日本の“赤字化"は不可避なのか
第一生命経済研究所の星野氏に見通しを聞く
インフレでも「財政」がよくならない不都合な真実
超低金利政策と財政出動で円安が進む悪循環
「円の独歩安」が続くといえる一目瞭然の分析
内需の低迷、資源高、通貨安に苦しむ日本経済
円安加速、日本銀行は「行くも地獄退くも地獄」
東短リサーチの加藤出社長に聞く「黒田リスク」
ECBの利上げが招くユーロ「140円台」到来はいつか
「ラガルド流」で利上げは7月、9月のどちらか
「中央銀行の債務超過」と「通貨安」は直結するのか
「中銀の財務健全性」は結果、問題は政府債務
「過剰な円安」で迫られるアベノミクスの後始末
「貧しい日本」という国難が現実化しつつある
岸田政権「資産所得の倍増計画」は何がダメなのか
英国の講演で日本の個人金融資産をアピール
「円安の行方」を占うアメリカの重要な経済指標
短期的にはドル高円安圧力が続く可能性が強い
中国「ゼロコロナ政策」の固執が招いた供給不安
日本の産業政策を再考すべき時が来ている
岸田首相はインバウンドの「全面解禁」を急げ
脱コロナの好機、円安抑止と景気浮揚に効果大
円安相場、「内外金利差の売り」はこれから本番
貿易赤字拡大と金利差拡大で年内はまだ円安進む
投機でなく需給にアプローチする手段が必要だ
「円安」と「物価高」に対抗しない黒田日銀の課題
野村総合研究所の木内氏に日本経済の課題を聞く
「春になれば円安は止まる」という見立ての死角
為替介入も政府と日銀の行動が逆では迫力欠く
政府・日銀の円買い介入でも円安は止められない
低インフレからインフレへ30年ぶりレジーム転換
「半世紀ぶりの円安水準」が示す日本経済の問題
SMBC日興の森田チーフ金利ストラテジストに聞く
為替介入でも止まらぬ円安、「国民感情」悪化懸念
やりすぎた日銀と課題を放置した政府のツケ
巷間ささやかれる「ドル暴落説」と円相場を考える
アメリカが「ドル高で困る」状況はいつ来るか
半分になった円の価値、もっと深刻な「実質価値」
「安い日本」は円安になる前から続いてきた問題
投機筋「ドル売り持ち」は潮目変化の先取りなのか
「ドル売り」=「円買い」ではないことに注意
2023年の「ドル円相場シナリオ」はどうなるのか
知っておくべき円高、円安の両方向のリスク
つかの間の円高と正常化タイムの後に来る円安
日銀が玉虫色の「共担オペ」を拡充した理由
米巨大IT企業に貢いで劣化する日本の経常収支
入国規制でインバウンドを抑制し続ける愚
まだまだ続くFRBインフレとの闘いに円安再起動
利上げでも意外と失速しないアメリカ経済
需給で軟調の円、「長期レビューで円売り」に難
「賃金と物価のスパイラル」を利上げで防ぐECB
海外での稼ぎ方が変わり「経常黒字でも円売り」
ここがヘンだよ「円安」をめぐる日銀と政府の分業
緩和維持で進む円安を為替介入で阻止する矛盾
キャッシュフロー経常収支で円の実需を考える
金融政策の軸が物価から「為替安定」へシフト
マイナス金利解除の時期は「決め打ち」せず
強すぎる米景気、高すぎる金利で反動の円高も
どうすれば1ドル150円の円安に終わりが来るのか
「史上最も期待される」アメリカの景気後退
15年ぶり「1ユーロ160円」、往時の期待感は消えた
購買力平価で「過剰な円安」とは単純に言えない
2カ月で円高に30円振れた1998年との決定的違い
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内