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経常黒字でも円安が続くのは「実は赤字」だから キャッシュフロー経常収支で円の実需を考える

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収束しない円安相場をどう読み解くか。為替は需給で決まる。「キャッシュフロー」ベースの経常収支で円の実需を捉えることを筆者は提示する。

コンテナクレーンの並ぶ貿易港のイメージ画像
貿易赤字は資源高の一服で解消しても、今や貿易以外の要素が大きい(写真:Kei1962 / PIXTA)

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2023年上半期(1〜6月)の経常収支は8兆0132億円と、2022年上半期(7.2兆円)から経常黒字が増加した。これは貿易サービス収支の赤字が8.2兆円から7.3兆円に縮小し、第1次所得収支の黒字が16.6兆円から17.5兆円に増加したことなどに起因する。

興味深いことは、こうした経常収支の改善と円相場の動向がかみ合わないことだ。2022年も経常収支は11.5兆円の黒字だったが、円は対ドルで最大30%以上も下落した。

キャッシュフローで経常収支を考える

仮に日本の経常黒字が数字どおりの「円買い圧力」となるのならば、ここまで円安は定着しない。なぜ、黒字でも円安が続くのか。

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