「日経平均3万円」にこだわる人が見落とす大局観 8月下旬以降の相場を予測する「6つのポイント」

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昨年のジャクソンホール会議で、FRBのパウエル議長(右)は「景気を犠牲にしてでも物価抑制」の方向性を鮮明にした。今年も相場は動くのだろうか(写真:ブルームバーグ)

酷暑にもかかわらず、「アメリカ発の悪材料」が日本株を冷やしている。

8月に入って、大手格付け会社であるフィッチ・レーティングスがアメリカ国債を格下げしたが、7日にはムーディーズ・インベスターズ・サービスが同国の中堅地銀などの格付けを引き下げた。さらに15日には再びフィッチが動き、今度は銀行最大手のJPモルガン・チェースを含む70行超の格下げ警告した。

今後は楽観すべき? それとも一段と警戒すべき ?

さすがに先週のNY(ニューヨーク)市場は調整を余儀なくされた。日経平均株価も3万1450円76銭となり、1週間で1022円を超える下落となった。では、これから始まる8月下旬、9月相場はどうなるのだろうか。大きく6つに分けて、注目ポイントを確認しよう。

(1) 日経平均の調整は完了したのか

日経平均は7月3日の高値3万3753円33銭から先週末の安値3万1450円76銭まで、立ち合い日数32日間で6.82%の下落となった。はたして、これで調整完了か、それともまだ足りないのだろうか。

これには、アメリカのダウ・ジョーンズを設立し、「ダウ平均」を考案したチャールズ・ダウ氏の基本法則にある「トレンド理論」を参考にしたい。

同理論によると、明確な長期の方向性(プライマリーサイクル)を示した相場は通常、1年~数年間継続する。だが、中間に、長期の方向性と逆行する3週間~3カ月の調整局面(セカンダリーサイクル)が出るという。

日経平均の今回の調整をセカンダリーサイクルと見ると、現在の相場は「下値の到達範囲」に入ったと判断してもいいのではないか。

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