「日経平均3万円」にこだわる人が見落とす大局観 8月下旬以降の相場を予測する「6つのポイント」

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(2)当面の下値メドは3万円か、2万9000円か

もう少し詳しく、時期を絞って見てみよう。日経平均は7月6日の前日比564円安の3万2773円02銭で25日移動平均線の水準を割れた。このとき、下値のメドは、その下に位置する75日移動平均線の価格(3万0270円31銭)となった。

その後のモミ合いの間、75日移動平均線は上げ続け、8月16日には3万1875円44銭になっていた。そして、この16日は前日比472円安と、2カ月ぶりの安値となり、下値メドとしていたはずの75日移動平均線も割れた。

これをどう見るか。結論から言えば、「75日移動平均線」とした当初の下値メドに到達したのだから、調整終了と見るのが順当だ。しかし、「75日移動平均線も割れたのだから、下値メドはさらに下にある200日移動平均線(2万9191円)のところまで下がった」との意見もある。

「そこまでは落ちない。3万円程度で収まるのではないか」と見る投資家も少なくないが、仮に3万円程度まで下落するとしても、あと1400円ちょっと。相場を俯瞰した場合は、誤差の範囲だ。

不気味な「三尊天井」は下落のサイン?

(3)「三尊天井」をどう考えるか

日経平均は、6~8月に3回高値をつけたことで、釈迦三尊に似た「三尊天井」(トリプルトップ)の形になっている。相場の当面のピークともされるこの形をどう考えるか。

チャート信奉者にとっては、上昇が約7カ月で終わったことになるので、そもそも今回の上昇が、1年から数年という上記の長期上昇のプライマリーサイクルではないことになる。ならば、当然セカンダリーサイクルも存在しない。

だが、筆者は「日本経済のデフレ脱却は始まったばかり」と考える。よってこの三尊天井の形は、あくまでセカンダリーサイクル内の一現象と見るべきで、上昇が終わったわけではなく、問題ないと考える。

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