「ゴミ屋敷を親が見たら…」入院女性の悲痛なSOS もし自分に何かあったらと病室から片付け依頼

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片付けの作業は大量に発生していたコバエの駆除から始まった。見積もりで部屋に入ったときに一度殺虫剤を撒いたが、数日間のうちにその数は戻っていたからだ。コバエの原因はやはり放置された生ゴミだと思われる。繰り返すようだが臭いがかなりキツい。

「臭いの原因は食べ残しと飲み残しですね。キッチンだと鍋の中に作ったものが残っていてそのまま腐ったり、風呂場だと桶の中に水が溜まっていてそれが腐ったり。やっぱり水気のあるものがとくに臭いが出ますね。ふたの開いた中身の残ったペットボトルも臭いの原因になります」(作業中のスタッフ)

うじ虫が孵化した孤独死の現場

以前、住人が孤独死をしてしまった大家から片付けの依頼があった。遺族もいなかったので大家が処理をするしかないが、「中を見たくない」とのことだった。

ゴミ屋敷連載
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「部屋に入ると遺体に湧いたうじ虫が成長してすべてハエになっていました。一体何匹いるのか見当もつかず、羽の音だけで耳を塞ぎたくなるほどでした」

二見社長は片付けが終わった後も定期的に依頼者と連絡を取ることがあるという。できれば再びゴミ屋敷に戻ることなく生活をしてほしいからだ。

片付けとハウスクリーニングをした後の部屋(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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また、仮にゴミ屋敷に戻ってしまったとしても、こちらから連絡をしたタイミングで気軽に依頼ができると考えている。しかし、病室からSOSを出した今回の依頼者とはもう連絡を取っていない。

「とにかくあの状況を消し去りたかったんだと思います」

心身ともに回復し、元の日常を過ごしているといい。仮にそうでないとしたら、また誰かを頼ってくれたらいい。

國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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