学校の放射能汚染、暫定基準に安住する政府、不安が増幅するばかりの福島県民

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また、「できるだけ被曝量を下げる努力をすべき」(細野補佐官)と言いながらも、5月1日の会見で枝野幸男官房長官は、「文科省から示した指針に基づいて対応をすれば、(福島県内学校の校庭の土を)除去する必要はない」と言う。

政治家というのは、政府内の一組織からの判断だけで動くものなのか。また、自治体が子どもたちを守ろうと“努力”しているのにもかかわらず、「国はそこまで言っていないよ。勝手にやれば」と聞こえるような評価をするのは、これもまた政治家の言動だろうか。

国民が不安を感じるほどの現実を前に、政治家たちは、単に傍観しているように思える。

国民にとって政治家に望む行動とは、データの羅列だけではない。「国民を守る」という姿勢が今こそ必要だが、残念ながらそれが見えない。だからこそ、福島県民をはじめ国民の不安は増大する。それが政治家にはわからないのが、非常にもどかしい。

写真:福島第一原発4号機・原子炉格納容器上部 東京電力提供

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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