入園者0でも最高売上高「さくらんぼ農場」の秘策 震災やコロナ禍という大ピンチに見舞われた

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しかし、お客様を受け入れることをやめれば、私たちのペースで収穫、出荷、販売の作業をすることが可能になります。みんなで一斉に休憩することができ、お客様を待つという行為がありません。戦力の分散がないので、集中して大きな力を発揮することができます。

お客様をお迎えする日々の準備作業をする必要がなく、ショップやカフェ、園地、トイレなどの掃除、つり銭の準備、商品の発注などの業務がなくなりました。入園受付や入園案内も必要ありません。

今まで儲かると思って当たり前にやってきた観光農園について、「大変な事業をやってきたんだなぁ」と考えるようになりました。観光農業は、私たちがイメージした通りに儲かっていたのか。もっと違うやり方はないのか。1から見直すきっかけになりました。

観光の在り方も大きく見直した

さらにコロナ時代が終わっても、売り上げ構成や仕組みを2019年に戻してはならないと考えました。なぜなら、コロナ前の観光農業は、オーバーツーリズム状態だと思っていたからです。

団体のお客様を制限なく集客し、土日にお客様が集中していたことで、一部の顧客満足度が下がっているように感じていました。また、コロナ禍に強化した「通信販売」部門をゆるやかに維持しながら「観光農園」部門の売り上げを回復していかなければなりません。

まずは、デジタルサイネージを導入し、くだもの狩りの注意などを説明する入園案内を動画でご覧いただけるようにしました。同じ動画をYouTubeにアップしておくことでお客様が来園前にチェックすることも可能になりました。これにより、入園受付と案内の省力化と効率化を図ることができました。

動画で入園ルールを説明し、カフェの待ち時間も信号でお知らせしている(写真:やまがたさくらんぼファーム提供)
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