地方公務員は全国の自治体で280万人あまりが働いている。給与水準はどのくらいなのか。東洋経済オンラインでは、最新版の地方公務員(一般行政職)の平均給与をランキング化した。今回は新型コロナ感染拡大前の年度との比較も収録した。
年間給与額は総務省が発表する「地方公務員給与実態調査」に基づき、諸手当を含む平均給与月額の12カ月分に、期末手当と勤勉手当を加えて算出したものだ。直近分は2022年4月1日時点、コロナ前は2019年4月1日時点をもとにした。算出した年収には地域差が大きい寒冷地手当は含めていない。
民間企業ではコロナ前後で給与水準が大きく変動する企業があったが、おおむねコロナ前比で10%程度の変化に収まった。調査対象の自治体は1741で、全治自治体の平均年収は587万円だった。
ベッドタウンや製造業が強い自治体が上位に
公務員の年収は自治体による格差は大きくないものの、上位には財政健全度が高く、生活費も高い都市部が並ぶ。
ランキング1位は東京都三鷹市だった。平均年収は731万円で、コロナ前比の735万円あまりと比較すると、4万円ほどの減少となるが、大きな変化はなかった。市の人口は約19万人で東京都のほぼ中央にあり、「三鷹の森ジブリ美術館」が立地する。6月公開の「住みよさランキング関東編」では24位にランクイン。財政の健全度も全国で上位に入る。
2位には、政令指定都市の川崎市がランクイン。東京のベッドタウンの川崎市の人口は約154万人で全国6位、全国的に人口減少が進む中で、現在も増加傾向にある。「地方議会議員の報酬ランキング」では議員報酬は1387万円で、全国で10番目だった。
3位は愛知県の中央に位置する豊田市。トヨタ自動車が本社を構えるクルマのまちとして有名で、国内最大の出荷額を誇る工業地域だ。そうした背景も手伝い財政的な余裕も大きい。
これらの給与水準は、各自治体の平均年齢に大きく左右される点には留意が必要。年功序列型の賃金体系の公務員であれば、年齢が高いほど給与も高くなるからだ。