シリコンバレーは大きな課題を抱えている 「繁栄の孤島」が他地域の手本になるには?

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バージニア大学ミラーセンターは最近、起業家精神を使って中産階級の雇用創出を支援する政策を特定するための委員会を設立した。委員会の報告書で提案されたアイデアの中には、有望な起業家やスタートアップに対するトレーニングや指南役の提供、インフラ支援の「エコシステム」作り、規制障壁の軽減などが含まれている。

報告書はまた、「メインストリート」起業家に対して資本を開放することの重要性を強調している。これらの起業家は、特に近年の不況によってこれまで与信を頼っていた地元の銀行の多くが撤退してしまったことによって、事業の立ち上げや継続、スケールアップに必要な資金を見つけるのに苦労している。それと対照的にシリコンバレーのスタートアップはVCファンドから手厚い支援を享受している。1980年代以降米国で展開されたすべてのベンチャー投資の30~35%を受け取っているのだ。

VC以外から資金調達を行うには

VC投資がこの国のごく一部に集中しているだけでなく、最近では、VC投資家はスタートアップの立ち上げよりも、起業から少し立った起業を支援する傾向になっている。言い換えれば、VCファンドは、10億ドル規模のIPO立ち上げには手が届かないにしても多くの雇用を生み出し、地元の繁栄を後押しするかもしれない新事業を支援するにはあまり向いていない、ということになる。

世界的経済危機以前は、起業家はスタートアップ資金を自分の貯金やクレジットカード、住宅担保ローン、家族や友達からの投資に頼ることが多かった。だが2008年以来、意欲的な起業家で銀行から多額の資金を借りられる人はごく僅かとなってしまった。そもそも金持ちの親戚やクラスメートのいる人などあまりいないのだ。

しかしメインストリートの起業家には2つの大きな、そしてあまり利用されていない資金調達の方法がある。

1つ目は、公共セクターにある。米国には地域再投資法(Community Reinvestment Act、CRA)があり、これは低所得層や中間所得層地域で預金を集める銀行がその利益の幾らかを同地域に再投資させることを目的に作られた法律なのだが、この法律のお蔭で昨年だけでも600億ドル以上の地域融資支援が行われた。これに対し昨年展開されたVCファンドは480億ドルである。

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