シリコンバレーは大きな課題を抱えている 「繁栄の孤島」が他地域の手本になるには?

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その再投資のほとんどが従来通り住宅に充てられているものの、ベイエリア株式ファンド、ビレッジ・キャピタル、ロバーツ・エンタープライズ・ディベロップメント・ファンドのように起業家にCRAファンドを投資する投資家や銀行も増えてきている。またブリッジズ・ベンチャーズやパシフィック・コミュニティ・ベンチャーズのように、コミュニティ開発金融機関や保険会社のバランスシートを利用して条件不利地域のスタートアップが利用可能な共同投資資金を拡大している例もある。

2つ目の大事な資金ソースは個人や地域の慈善財団にある。それらの財団は米国の法律により毎年資産の最低5%を慈善活動に寄付しなければならないことになっている。2012年にはそういった財団が分配した慈善目的の援助金は約520億ドルに上っている。資本基盤の拡大に有利な利益を生み出すため、7150億ドルの資産の残りの大半は従来の投資に充てている。

慈善投資を活性化させるには?

ただ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やロックフェラー財団 、クレスゲ財団のように、 自身の慈善活動を促進させるような投資に充てる資産の割合を増加させている財団も多くなってきている。そういった投資は社会的、金銭的リターンの両方の利益を上げることを目的としたインパクト・インベストメントを加速させるのに役立っている。残念なことにプログラム関連の出資は財団が分配した資本のわずか1%にしかすぎず、そのうち株式投資に向かうのは0.05%にすぎない。

雇用を創出し、金銭的な利益を生んでいる、という意味では、地域のスタートアップ事業に対する公共投資や慈善投資はすでに利益を生んでいる。この分野のリーダーであるベイエリア株式ファンドは銀行や保険会社、年金基金、個人から7500万ドルを集め、1万5000人分の職を創出した。その内 2218人分が低所得層、中間所得層地域の職である。さらに、投資家に24.4%の年間利益を生み出した。

政府はそのような投資をもっと推進することが可能なはずだ。最初に、どの投資がCRA要件を満たすかを管理する規約を改善するべきである。同じように、インパクト・インベストメントに関する米タスクフォースが提言される中で、当局は非課税団体の許可されるべき投資活動について明確にする必要がある。

シリコンバレーのダイナミズムが弱まってしまってはいけない。しかし、米国の残りの起業ポテンシャルもまた過小評価すべきではない。正しいインセンティブと慈善団体などからの資金があれば、職を創出できる起業家は、国中の様々な地域全体の成長をさらに促進させるエンジンの役割を果たしてくれることになるかもしれないのだ。

(C)Project Syndicate

ローラ・タイソン 米大統領経済諮問委員会元委員長

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Laura Tyson

米カリフォルニア大学バークリー校教授。ロック・クリーク・グループのシニアアドバイザー。

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レニー・メンドーサ

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マッキンゼー·アンド·カンパニーのワシントンDC、およびサンフランシスコオフィスの名誉退職者(引退したディレクター)。

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