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「超長期金利4%」の衝撃。今後の株価への影響をどう読むべきか、投資家がとるべき防衛策とは?

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ゴールドマン・サックス証券の元ヴァイス・プレジデントで、現在は会員7000人超を抱えるオンラインサロン「金融経済アカデミー」共同代表の松井雅章氏が注目の「経済ニュース」を独自視点で分析。投資の新たなヒントを提供します。
注:本記事は会社四季報オンラインの人気連載「経済ニュースを斬る!」からの転載です。

本当に注目すべきは「商い」の細さ

2026年1月20日、新発30年物国債利回りが一時3.88%、40年物国債利回りが4.215%に達し、1日の上昇幅が0.2%を超えるという極めて異例の事態となりました。高市政権による衆院解散と財政拡張的な方針を受け、市場が財政規律への懸念を「価格」として突きつけたと一般的には報道されています。

しかし、ここで注目すべきは、「商い」の細さです。この日、日本国債取引の主要ブローカーである日本相互証券の取引データによると30年債の取引は262億円、40年債は174億円にとどまりました。

1,100兆円を超える日本国債市場の規模からすれば一見少額に思えるかもしれません。しかし、いまのマーケットにおいて決して無視できる話ではありません。むしろ、これほどの少額取引で利回りが0.2~0.3%も跳ね上がってしまうほど、市場の流動性が極限まで細っているという現実こそが、私たちが直視すべき重要な課題だといえます。

今回の急落によって、日本国債の時価が約410億ドルも失われたとブルームバーグで報じられましたが、これはお金が物理的に消失したわけではありません。あくまで時価の変動であり、満期保有を前提とする投資家にとっては含み損の拡大を意味します。

しかし、本来の安定保有層である国内の生命保険会社などは、新たな資本規制への対応や時価ブレの回避から、金利が上昇したからといって即座に追加購入に動ける状況にはなかったと考えられます。

その結果、市場は短期間で売買を繰り返す海外の「ファストマネー」が主役(日本証券業協会によると2025年通年で超長期債国債の買付額は海外投資家が53%を占める)となり、彼らのトレーディング・ルールに基づくロスカット(損切り)が、限定的な薄い「商い」を通じて日本国債の「時価」を決定してしまうという構造に陥っていると考えられます。

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