すすきの再開発、地元不動産が震撼する「高額賃料」 札幌で熱狂する「商業施設の開業ラッシュ」とは

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札幌市中央区のすすきのエリア
夜の街のイメージが強い札幌市中央区のすすきのエリアだが、複合商業ビルの開業に伴い、徐々に街並みが変わりつつある(記者撮影)

眠らない街「すすきの」が、再開発で大きく変わろうとしている。札幌市内は新たな不動産バブルに突入するのか。

北海道札幌市の商業集積地である中央区すすきのエリアで、新たな複合商業ビルが開業ラッシュを迎えている。その中で、地元の不動産関係者の相場観を揺るがす”新価格”が出始め、注目を集めているのだ。

東急不動産は、商業施設「ススキノラフィラ」の跡地に、地上18階・地下2階の複合商業ビル「COCONO SUSUKINO(ココノススキノ)」を開発する。2023年秋頃に開業予定だ。

「昼間人口」を増やしたい

東急不動産が開発する複合商業ビル
東急不動産が開発する複合商業ビル、ココノススキノ。TOHOシネマズのシネマコンプレックスなどが入居する(記者撮影)

東急不動産の都市事業ユニット開発企画本部で課長補佐を務める加藤裕人氏は、「すすきのエリアは、札幌市の顔であり大きなポテンシャルを感じている。夜の街のイメージが強いが、昼から夜まで遊べて、近隣住民も日常使いできるような施設にすることで、昼間人口を増やしたい」と意気込む。

5~7階には、すすきのエリア初のシネマコンプレックス(計約1800席)が入る。また地下には飲食店やスーパーマーケットのダイイチなどが入居する予定だ。

「最近は若者の利用が増えており、すすきのの雰囲気が少しずつ変わってきた。大丸やステラプレイスなど札幌駅周辺の商業施設に滞留していた人々が、すすきのエリアにまで足を運ぶきっかけになってほしい」と、札幌市内の不動産会社の幹部も期待する。

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