セブン&アイが北米責任者に「年77億円」払う理由 業績連動で膨張、報酬額は井阪社長の22倍に

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4月、セブン&アイの決算で話すジョセフ・マイケル・デピント氏。その2023年度の報酬が77億円に上ったことが明らかになった(撮影:今井康一)

セブン&アイ・ホールディングスの取締役専務執行役員である、ジョセフ・マイケル・デピント氏の2023年度役員報酬が77億円に達していたことが、29日わかった。

同日開示された、セブン&アイの有価証券報告書で明らかになった。同氏は前期も37億円超の役員報酬を受け取っており、配当収入などを除いた役員報酬としては日本の上場企業の中で2番目の多さだった(詳細はこちら)。今回の「昇給」でトップに躍り出る可能性もある。

米国子会社のインセンティブで増加

77億円の内訳をみると、セブン&アイの取締役としての報酬はわずか2200万円。残りのすべては、同氏がCEO(最高経営責任者)を務めるセブン&アイの北米コンビニ子会社、セブンーイレブン・インク(SEI)取締役としての報酬となっている。

SEIからの報酬はなぜここまで膨らんだのか。SEIの報酬体系が、業績連動型となっていることが一つの要因だ。

セブン&アイの井阪隆一社長CEOの報酬は、7割が業績連動型報酬となっている。一方でSEIでは9割以上が業績連動型報酬だ。SEIでは短期(直近1年)、長期(直近3年)での業績・企業価値向上度合いによってインセンティブを設けており、今回の査定対象期間は短期が2022年、長期が2020年~2022年だった。また円安も報酬額を引き上げる要因となった。

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