セブン&アイの核となった北米コンビニ事業が転換期を迎えている。

FF強化による客層拡大など、ガソリン以外の集客策構築が必要だ(写真:セブン&アイ・ホールディングス)
セブン&アイ・ホールディングスがM&Aの標的となった。本特集では、カナダ同業からの買収提案を経て厳しく問われる「成長戦略」の中身に迫る。
セブン&アイ・ホールディングスの主柱、北米事業を担うセブン‐イレブン・インク(SEI)が苦境に立たされている。
7月に発表した2024年度第1四半期(SEIでは24年1〜3月期に相当)決算では、SEIの営業利益は前年同期比4割減の2億ドルと大幅な減益だった。
原因は客数の低迷だ。米国のインフレは激しく、中心顧客である中低所得者層の家計へのダメージは大きい。SEIも価格転嫁を控えたが、想定以上に伸び悩み、競合にも水をあけられている。
さらなる苦戦が予想
だが社内から「第1四半期はマシだった」との声が漏れるように、今後はさらなる苦戦が予想される。注目すべきはガソリン販売だ。
ガソリン販売はSEIの売り上げの半分超、粗利で44%を占める。ここ数年、1ガロン当たりの粗利額は歴史的な高水準が続いた。24年1〜3月期も粗利額は前年同期を上回って推移した。
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