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セブン&アイ、ついに動き出した海外戦略の成否 2030年まで毎年度2カ国への進出を目指す

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日米に続く「第3の柱」構築に向け、2年半前から始まった戦略転換は実を結ぶか。

オーストラリアのセブン-イレブン店舗外観
(写真:セブン&アイ・ホールディングス)

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セブン&アイ・ホールディングスがM&Aの標的となった。本特集では、カナダ同業からの買収提案を経て厳しく問われる「成長戦略」の中身に迫る。

4月、都内ホールで開かれたセブン&アイ・ホールディングスの2024年2月期決算説明会。グループのスーパー、イトーヨーカ堂の上場検討開始、連結からの分離の可能性が公表された。会場は騒然、質疑応答も祖業の行方に集中したが、その裏で別の重要な方針変更が示されていた。

中期経営計画の財務目標の変更だ。25年度のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)に対する有利子負債の倍率(23年度は2.6倍)を、従来の1.8倍未満から、1.8〜2.5倍のレンジに緩和した。

同社は21年に2兆円超を投じた米スピードウェイの買収で有利子負債が膨らみ、その削減を最優先としてきた。が、今回の基準の緩和で、事実上5000億円程度の「投資可能枠」を設定したことになる。「中計の期間中にM&A(合併・買収)を実行する宣言」。市場関係者の多くがそう捉えた。

米国以外での海外展開に注力

では、どこがターゲットか。引き続き米国は候補だが、「もう大物は出てきづらい」(同社担当者)という指摘もある。そこで注力するのが米国以外での海外展開だ。

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