不思議な騒動だった。PayPayが「一部クレジットカードの新規登録および利用停止の見直しについて」との内容を公式サイトに発表した件だ。
他社クレジットカードの「紐づけ」を解除
そもそもの発端は、同社が5月1日に他社クレジットカードの「紐づけ」を解除するとしたことだ。公表された「おしらせ」には、
「2023年8月1日(予定)以降、PayPayを利用したお支払いの際にPayPayカード株式会社が発行するクレジットカード(『PayPayカード』『PayPayカード ゴールド』)以外のクレジットカードを利用した決済はできなくなります」
「(他社クレカを登録済みの場合は)『PayPayカード』、『PayPayカード ゴールド』以外のクレジットカードは、2023年8月1日(予定)にクレジットカードの登録を解除します」
との機械的な文言が並んでいた。一読して、ずいぶん日本企業らしからぬと感じたものだ。「恐れ入りますが」とか「ご迷惑をかけますが」とか「ご協力お願いいたします」とか、“企業側の都合でこう決まり申し訳ありません”といったウエットな表現が皆無だったからだ。
それが原因でもないだろうが、早速ネットには「PayPay改悪」なるワードが頻出し、怒りや困惑の声も上がった。冷静に考えれば、PayPayのヘビーユーザーでポイントを効率よく稼ぎたいポイ活民は、すでにPayPayカードを紐づけ済みのはずだ。他社カードでの決済は、とうの昔にPayPayが打ち出す各種キャンペーンの対象外にされていたからだ。
それなのに、ここまで不評を買ったのは、あの身もふたもない「登録を解除します」との文言のせいもあったのではないか。あれが、「申し訳ありませんが、登録を解除させていただくことになります。ご了承ください」くらい穏便だったら――と思わなくもない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら