PayPay騒動は序章?キャッシュレス勢力図の未来 ポイ活民困惑?強まるクレカの攻勢

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空気のようにSNSで呼吸する若年層LINEユーザーに、そっぽを向かれることになっては一大事だ。ユーザー切り捨てとは思われないソフトランディングを模索しているところだろう。

クレジットカードの逆襲なるか? タッチ決済の猛攻

すっかり生活に根付いたスマホ決済アプリだが、これまでも「改悪か」と騒がれる変更は少なくなかった。2022年6月には、「d払い」が他社カードを使う決済はポイント付与の対象外とし、さらに同年12月10日以降はクレジットカード「dカード」を紐づけた際のポイント還元率も実質下がった。

同じく「auPAY」では、auPAYカードでのクレジットチャージをポイント付与の対象外に変更(年会費ありのauPAYカードゴールドのみ1%還元特典があり)。そして、今回のPayPay騒動だ。自社経済圏のための種まき時期を終え、刈り取り時期に入ったからとはいえ、ユーザーは置いてきぼりを食ったような気がしてしまう。

片や、逆襲の勢いを増しているのがクレジットカードだ。利用率では常にキャッシュレス王座にいながら、その伸び率は横ばい。しかし、今後は変化が起きるかもしれない。

そのトリガーになりそうなのが、タッチ決済だ。各カード会社は、FeliCa型電子マネーのように端末にタッチするだけで決済が完了するカードへの切り替えを進めている。カード本体でのタッチだけでなく、スマホのApple PayやGoogle Payにカードを登録して「かざす」決済も推奨する。これらの利用率を上げようと、大盤振る舞いのキャンペーンを展開中なのだ。

中でも攻めているのは三井住友カードだ。対象となるコンビニ(セブン-イレブン、ローソンなど)・飲食店(マクドナルド、すき家、ガスト、サイゼリヤ、ドトールなど)で、カードでタッチ決済すると5%、スマホでのタッチ決済なら7%還元もの高還元率を打ち出した(タッチ決済以外のカード払い・iD払いは通常ポイント分の還元のみ)。

これだけでは終わらない。三井住友カードには、対象カードを保有する2親等までの家族を登録すれば人数+1ポイント(最大5人・5ポイントまで)が上乗せされる「家族ポイント」というサービスがある。先の7%還元に組み合わせれば、最大12ポイントまで積みあがることになる。

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