もはや芸術!「塗り壁」はここまでスゴかった 左官職人が今、これほど脚光を浴びる理由
多くの人にとって「一生に一度」の買い物となるマイホーム。そんな家をつくるさまざまな技術を持つ職人の数が、どんどん減っている。人口減や少子高齢化が進む中で、新築住宅着工戸数は漸減。空き家もどんどん増えていっているからだ。
たとえば、左官職人。1990(平成2)年には約20万人だったが、国勢調査が行われた2005年には約12.4万人まで減少。さらに、2020年には5万人ほどになってしまうのではないかともいわれている(日左連誌より)。
一方、こうした逆境の中で左官職人の技術が再び注目を浴びている。
5月2日(土)夜7時からTBSテレビで放送する「ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」に出演する野宮未葵さんは、数少ない女性左官職人として活躍している。そんな野宮さんに、左官職人が再び注目を集めるようになった裏側などについて聞いた。
塗り壁人気の秘密は“機能性”
左官とは、コテを使って壁や床などを塗り上げる職業。家の「塗り壁」などを手掛ける職人である。その歴史は古く、縄文時代にまでさかのぼるとされる。塗り壁と聞くと、「田舎のおばあちゃんの家? 」くらいの古い家にあるようなイメージを持つ人もいるかもしれない。
現在、家の内装のほとんどはビニールの壁紙などが主流。安価で工事も簡単なビニールクロスが市場では求められる傾向にある。塗り壁はいつしか日本人の生活の中で、身近な存在ではなくなってしまった。
ところが、ここへ来て塗り壁が注目を集める理由は、その機能性にある。塗る素材によって効果の違いはあるものの、最大の特徴は室内の湿度を調節してくれる点だ。